江戸末期に賀集珉平が淡路島で開窯した珉平焼(淡路焼)を起源とし、明治から昭和初期にかけて創業以来培った釉薬・焼成・型などの技法を活かしつつ飛躍的な産業化を遂げ、日本国内にとどまらず東南アジアを中心に世界各国へと輸出された色鮮やかなマジョリカタイル。
古くはイギリス製が主流で、日本へは文明開化とともに持ち込まれ、イギリス関連の大使館や洋館、県庁などの建造物の床などで使用されました。
明治20年頃から、淡路島に拠点を置く淡陶社を筆頭とする日本のタイルメーカーが、英国製のものに程近い高品質な和製マジョリカタイルの生産に着手。
明治41(1908)年、乾式成型法によりタイルの大量生産が可能になると、色鮮やかな色彩や花柄文様が施された上質なタイルがより安価に流通するようになり、大正時代には一般家庭にも浸透しました。
一方でその頃から海外への輸出にも力を入れるようになり、和製マジョリカタイルは風水思想のある中国や台湾、さらに中華系とマレー系との融合によるプラナカン文化が形成された東南アジア諸国を中心に広く受け入れられました。
果てはインド洋も越えザンジバル島のインド系商人を介して遠くアフリカ大陸へも流通した和製マジョリカタイル。
ロマンを感じずにはいられませんね。
淡陶社による新品のリプロダクト品も流通していますが、こちらはマラッカ海峡の中継貿易都市として歴史を誇るマレーシア・マラッカのショップハウスから丁寧に取り外された約100年前の紛れもない「当時モノ」。
周囲のセメントの欠けや裏面のデコボコが新品ではない証拠です。
タイや台湾、シンガポールにはこれら和製マジョリカタイルの熱心なコレクターがいて、人気が過熱し日々入手が困難になってきているとのこと。
実際のところ再開発で消えていく建物からしか取れないことから、消えゆく限りある資源ではありますよね・・・
たて15cm×よこ15cm×厚み1.2cm
原産地:日本、仕入地:Malaysia
¥4,500+税
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